観光業界のお仕事

旅行を仕事にしたいと思ったら、まずすること

トラベル業界を目指す人というのは、どういうキッカケや理由でこの業界に憧れを抱くようになるのでしょうか。自分自身が旅行好きだからという人も多いと思いますが、子どもの頃や学生時代に修学旅行などで接したツアーコンダクターや旅行会社の担当者がとてもカッコ良く見えたことで憧れを抱くようになったという人も意外に多くいます。それだけ旅行というのは人の心に色々な意味で思い出を残すということだと思います。 そんな人の“一生モノ”の思い出を作る仕事としてトラベル業界でプロになりたい、旅行を仕事にしたいと思ったら、まず何から始めれば良いのでしょうか。求められる資質やスキル、そして実は一番大切な心構えについて解説しましょう。

トラベル業界に就職するには、何よりも即戦力となるスキルとホスピタリティを身に付けることが大切です。

まずは、持っておきたい資格から

トラベル業界

トラベル業界と非常に関わりが深いものとして、旅行業務取扱管理者という資格があります。国内旅行専門の資格である「国内旅行業務取扱管理者」と、国内・海外両方に通用する資格の「総合旅行業務取扱管理者」です。

旅行はいつくかのパーツの組み合わせで成り立っています。バスや飛行機などの運送機関というパーツ、ホテルや旅館など宿泊施設のパーツ、観光・体験・食事といったパーツなど様々。しかも、どれも旅行会社自身ではない誰か別の人や会社が行っているパーツを組み合わせることで成り立っています。そこで、旅行をお客様に買ってもらうことでお金を得ようとする時は(これを旅行事業といいます)、こうした様々なパーツについても詳しく知っておかなければならないのです。

しかも、旅行事業を行うにあたって、1 事業所に最低 1 人は有資格者を置かなければならないという決まりがあるので、トラベル業界への就職を考えた時には就職活動を決定的に有利にしてくれる資格と言えるでしょう。不動産屋さんには宅建主任者、薬局には薬剤師をそれぞれ置かなければならないという決まりと似ています。

この旅行業務取扱管理者は国土交通大臣認定の資格ということもあって、少し勉強したら簡単に合格するという代物ではありません。系統立てた知識と試験対策が必要になるので、専門学校などでしっかりと資格取得に向けた勉強をする必要があります。大阪ホテル・観光&ウェディング専門学校の旅行・観光コースでもこの資格取得を想定しているので、そのためのカリキュラムが組み込まれています。

行っておいた方が良い学校は?

トラベル

トラベル業界を目指すルートは、1 つではありません。高校、大学、短大、専門学校などそれぞれの学校を卒業して就職している人が大半なので、具体的にどの学校を出ていないとトラベル業界へ進むには不利ということは特にありません。医師や看護師など医療系の職業の場合はそれぞれ国家資格がないと職業に就くことすらできないので、医師の場合は大学の医学部、看護師の場合は看護学科や看護学校を卒業して、それぞれ国家試験に合格する必要があります。

それに対してトラベル業界への就職は基本的に民間企業への就職なので、資格がなければ職業に就くこともできないということはないワケです。

しかし、実際にトラベル業界で活躍している人の実情を踏まえると専門学校での実習やフィールドワークを通して実践的なスキルを身に付けている人の方が、即戦力になるまでの時間が短いといわれています。講師を務める業界のプロから現場の様子を教えてもらえる所は、専門学校で有利な部分です。

特に大阪ホテル・観光&ウェディング専門学校では業界と一緒に授業を行っているので、在学中に本物の現場を体験できる機会があるというのも大きいでしょう。

語学の勉強はしておいたほうが良い?

トラベル業界だけでなく、ホテルや最近多くなっているインバウンド(訪日外国人)関連の業界では語学力がどこまで必要か、という質問がよく出されます。どんな職業でも語学力がないよりは有ったほうが良いのは間違いないのですが、トラベル業界だからと言って最初から語学力を身に付けていないと就職に不利になる、ということは特にありません。極端な言い方ですが、必要性が生じたのであれば仕事を通じて覚えたり、語学力が必要になる部署に行ってから勉強しても遅くはないと思います。むしろ日本人のお客様を相手にすることがほとんどなので、まずは美しい敬語をしっかりと話せることが大切です。

ただ、国内旅行ではなく海外旅行に関連する仕事を目指すのであれば、最低限の英語力が前提になるのは言うまでもありません。旅行企画の段階で海外とのやり取りが発生しますし、ツアーコンダクターとしてツアー参加客のガイド役を務める場合も現地で使用する語学力が必要になります。

よって、語学力の必要性は国内旅行の場合は「有ったほうが良い」という答えになりますが、海外旅行を仕事にするのであれば事実上必須であると考えたほうが良いと思います。

当校ではトラベルワールドに「観光英語」というカリキュラムがあるので、そこで必要な英語力を身に付けることができます。

今のうちから、やっておくべきこと

これから高校卒業後の進路を考えようと思っている方にとって、今のうちからやっておくことというのは、それほど多くはないでしょう。本当に必要なことは専門学校に入ってから学んでも十分間に合うので、高校生のうちにやっておかなければ間に合わない、ということはそれほど無いと考えて良いと思います。

しかし、心構えとなると話は別です。トラベル業界のプロになりたい、旅行を仕事にしたい!という思いをすでに持っている方というのは、自分のやりたいことがその段階で決まっている恵まれた方です。

自分は恵まれた人間だと思えば、目標に向かって努力することにも前向きになれるでしょう。先ほど述べた語学力についても、高い意識を持っていれば日々の習慣で自然に英語に触れる機会を多くしたりするようになるはずです。

本当の勉強は卒業してから、そして就職してからです。今はまず「努力してプロになってやる」「やるからには本物のプロになってやる」というモチベーションを高く持つことが、実は一番大切なのです。

旅行を自分の進路に選んだ方は、かつて自分自身も旅行で楽しい経験があるからだと思います。

旅行業界のどういった職業を選ぶかはのちに考えていくことになりますが、ぜひ今のうちに楽しいことやいつもと違う非日常を味わえるようなこと、ワクワクすること、場所でもイベントでも食べ物でもなんでも構いませんので、身の回りにある“楽しいもの”に日頃からアンテナを張ってみて下さい。

そして自分が楽しいのはもちろんですが、自分以外の誰かを楽しませてあげる経験やアイディアを蓄えておくと、きっと役に立つ時が来ると思います。