憧れのCA(客室乗務員)の仕事内容と
お給料事情まとめ

今も昔も、CA(客室乗務員)と言えば憧れの職業の上位にランクインする人気職種です。かつては「スチュワーデス」と呼ばれた時代もあり、TVドラマの題材になったりプロ野球選手や企業経営者など有名人と結婚する人が続出したことも、人気職種としての地位を不動のものとしました。国際線の長距離路線では今ほど機内エンターテインメントが充実しておらずお話しする機会が多くあり出会いにつながったということもあるのでしょう。
素敵な制服に身を包み大空を職場にすることから、依然として人気職種であることに変わりはないので、その仕事内容やお給料事情など、実際に働いたことをイメージできるような情報をまとめてみました。
エアーライン業界に就職するには、何よりも即戦力となるスキルとホスピタリティを身に付けることが大切です。
「機内サービス」という仕事内容の中身
機内食やドリンクのサービス、免税品の販売などといったサービスの部分が一番お客様の目に触れますが、最も大切なのは「保安要員」としての仕事です。常に異変がないか目を配り何か起きた際には自分の身を張ってでもお客様の安全を守る使命を持っています。このように「お客様が安心・安全にお過ごしいただく」ことが、CAの役割なのです。
同じようなアテンドの仕事をする職種として新幹線の車内販売やバスガイドなどがありますが、これらの仕事と異なるのはやはり「おもてなしによるサービスの差別化」と「保安要員」としての役割です。人気の面で比べてもCAは群を抜いて人気職種となっていますが、やはり飛行機が持つ先進的なイメージや国際間を飛び回るというグローバルなイメージも関係しているのでしょう。
普段はこのように赤ちゃんからご年配の方までさまざまな乗客のために優しくお世話をするイメージが強いですが、非常時になるとCAは乗客の安全を守るための訓練を受けているのでとても頼もしい存在になります。筆者はかつて国際線の飛行機が大きく揺れて酸素マスクが出てきてしまったという経験を持っていますが、その時にとったCAの行動はとても冷静で、その行動に感動した乗客もたくさんいました。揺れが収まって無事に着陸した時に「本日はご搭乗ありがとうございました」とCAがアナウンスをすると乗客から拍手が起きましたので、こういう瞬間というのはCAとしての冥利に尽きるのではないでしょうか。
意外と庶民的?CAのお給料事情
ここで「でした」と過去形にしているのは、一時期の経費削減の流れが一段落して、ANAやJALといったFSC(=フルサービスキャリア、従来からある航空会社)が新卒入社から正社員として雇用しているため、CAの待遇面では改善されつつあります。これは世界的な航空需要の増加を受けて、早期人材育成と採用競争力の強化からでしょう。
とは言え、最初は訓練生という立場なのでそれほど高いとは言えず、月給が20万円を超えることはありません。ただし、乗務開始後には乗務手当・深夜勤務手当・パーディアム(旅費日当)や賞与(ボーナス)の支給もあるので、年収ベースでみると一般的な会社員より若干高い水準になることもあります。
また、CAは勤続年数が長くなるとその分だけ給与が上がっていくので、それを平均すると30代の中頃で年収が500万円を超えるレベルになります。ここから先は一般的な会社員よりも高い給料をもらっていることが実感できると思います。
実際に働いてみて、どうですか?
お給料がずば抜けて高いというわけではありませんが、CAが依然として高い人気を誇っているのは、やはりCAが持つ圧倒的なブランドイメージです。それは目を引く制服を着こなし颯爽と空港を歩き、機内では知的で上品な笑顔を浮かべ優雅に接客するという職業特性によるものです。
仮にCAを退職したとしても、ホスピタリティやマナー、コミュニケーション能力を多方面で活かすこともできるので、CAの人気は今後も続くでしょう。
乗客は全て何らかの形で旅行をしている人たちなので、その人たちに対するホスピタリティの考え方はホテリエ(ホテルマン)と似ています。旅の思い出が少しでも良いものとなるよう、おもてなしの精神で接することができる人であれば、何か特別な能力を持っていなくても良いでしょう。
最後に、実際にお会いしたCAの言葉をご紹介しましょう。そこからCAという仕事に対する夢を感じてもらえればと思います。
「機内でお会いしたお客様一人一人に、笑顔で気持ち良く過ごしてほしい…そんな思いとお客様を守る!という強い使命感が大切です。実際に働いているCAも同じ思いを持っており、とても責任感のある人が多い職場だと思います。懸命に仕事に向き合っている私たちにお客様からの「ありがとう」という言葉は頑張った自分への一番のご褒美です。目的地までのひとときですが、縁あって自分が担当する飛行機に搭乗されたお客様にどんなサービスをしたら喜んでもらえるかを日々考えながら乗務をしています。何事もなく安全運航を続けるために日々努力し、無事に乗務人生を終えることが私の目標です。」