ホテル業界のお仕事

英語を活かせる仕事紹介。ホスピタリティ・リゾート・観光・エアライン編

英語を使った仕事がしたい、世界中の人とコミュニケーションを取れるようになりたい、世界で活躍できる人になりたいと思う人にとって、英語力はとても重要なスキルです。ホテルスタッフなどホスピタリティ系の職業を目指す人にとって英語は必須ですし、英語の熟練度によってはさらに活躍の場が広がるのですから、多くの人が英語力を磨きたいと思うのは当然です。

また、英語人口そのものが増加の一途をたどっている今、英語力は世界とつながる超重要スキル。当記事では英語を活かせる仕事の紹介のほかに、「英語人材」の将来性、英語スキルを身につけるための効果的な方法について解説します。

英語を活かせる仕事の紹介

観光リゾートで英語を使った仕事をする

最初に、英語を活かすことができる職業にはどんなものがあるのかを紹介しましょう。とてもたくさんの職業があるので、ここではホスピタリティ系とリゾート・観光系、エアライン系に分類します。

<ホスピタリティ系>
・ホテルスタッフ
・リゾート施設スタッフ
・レストラン、カフェのホールスタッフ
・電話オペレーター

<リゾート・観光系>
・アクティビティスタッフ
・カジノ施設、IR 施設(ディーラー、スタッフ)
・ツアープランナー
・インバウンド向けガイド
・観光ガイド
・地域創生プロデューサー
・テーマパークスタッフ

<エアライン系>
・航空会社のグランドスタッフ
・キャビンアテンダント

ホスピタリティ系とリゾート・観光系、エアライン系の分野だけでこれだけ多くの職業があります。これら以外にもビジネス系や IT 系、公的な職業など英語力を必要とする職業は数えきれないほどあります。TOEIC の点数によってそのレベルはさまざまですが、TOEIC で 800 点以上の得点をあげることができると一気に職業の専門性が高くなり、年収クラスも高くなる傾向があります。

「英語人材」の将来性

グランドスタッフ

文部科学省が発表している「世界の母語人口」ランキングで、英語は 2 位です。英語を母語としている人数が 4 億人(※1)とのことですが、母語以外で英語を使う人となると世界に 15 億人もいるとされているので、世界人口のうち 5 人に 1 人と英語でコミュニケーションができることになります。まさに、世界共通語です。

世界全体がグローバル化していく中で、「英語人材」のニーズはどんどん高まっています。日本では最近になって「英語人材」の価値が高まってきたように感じるかもしれませんが、それは単に日本のグローバル化が少し遅れてやってきただけで、世界ではすでにその状況が始まっていました。その波が本格的に日本にも押し寄せてきており、一過性のブームではなく今後もずっと続く傾向だと考えてください。

「スタンバイ」という求人検索エンジンの掲載実績によると、2018 年の時点で前年より英語必須の求人件数が 1.55 倍(※2)に増えています。通常の求人が 1.15 倍しか増えていないのに対して英語必須の求人が急増していることを見ても、「英語人材」を求めている企業が多くなり、人材としての価値が高まっていることが分かります。

※1. 参照| https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379956.htm
※2. 参照| https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000056.000034075.html

英語力を使う職業への道

英語力を活かして活躍する「英語人材」になるには、言うまでもなく英語力が必要です。よく「中学校の 3 年間で習う英語で十分」と言われますが、それは本当に中学校時代の 3 年間で習う英語をすべてマスターしていれば、の話です。これが意外にできていない人が多いため、海外からも日本人は英語が苦手とのイメージを持たれている部分があります。まずは基礎となる英語力をしっかりとマスターしたうえで、順序よくそれぞれの職業で必要になるレベルの英語力を身につける必要があります。

「英語人材」なので英語力さえあれば良いのかというと、実はそうではありません。求人によっては英語力以外にも求められることがあります。それらも含めてプロとして通用する「英語人材」になる方法をまとめました。

① 少なくとも専門学校卒以上の学歴

英語を活かす職業に就くといっても、そこで英語だけを使って仕事をするわけではありません。社会人として責任ある仕事をすることになるので、社会人になるための基本的な「スペック」が必要になります。一流商社に就職するには難関大学を卒業していると有利になるといわれますが、それと似た感覚で英語を活かす職業に就くためにも一定の学歴は必要となるでしょう。

就職してからは英語を多用することになるため、「英語を専門的に学んだ」ということを証明する手段としての学歴があることは望ましいでしょう。少なくとも専門学校を卒業していることは多くの求人で求められます。これは英語力だけを判定したいのではなく、何か物事を専門的に学んだことがあり、それを武器にしようとしている事実が重要だからです。

② 英語力を証明できるものを取得する(TOEIC、英検など)

英語には、スキルのレベルを客観的に証明する方法があります。それが実用英語技能検定(英検)や、TOEIC です。この 2 つはとても有名なので中学校や高校の在学中にチャレンジして資格を持っている人もいると思います。英検は学校で集団受験しているところも多いので、高校卒業の時点で 3 級程度の英検資格を持っている人がよく見られます。「英語人材」としての活躍を目指すのであれば、英検は少なくとも 2 級、本格的に仕事に活かすのであれば準 1 級には合格しておきたいところです。

もうひとつ、英語力を証明する検定試験として有名なのが TOEIC(トイック)です。日本の英検と違い、TOEIC は国際的な英語力の認定試験です。毎年 700 万人もの人数が受験しており、日本以外の国に対して英語力を証明するのに役立つ試験です。TOEIC には英検のように級別があるわけではなく、満点である 990 点に対して何点を取ることができたかがスコアとして成績に残ります。このスコアが高いほど英語力があると見なされるため、TOEIC にチャレンジする人は「700 点以上」「800 点以上」といったように、より高い得点を取ることを目指します。

TOEIC の例年の平均点はおおむね 500 点台の後半です。「600 点弱」といったほうが近いかもしれません。そのため、600 点以上のスコアを取ることができればひとまず平均点以上ということになります。TOEIC は就職活動の際にも英語力を証明する手段として広く用いられているので、何点あればどんな職業を目指すことができるのかを目安として知っておくと良いでしょう。TOEIC のスコアと目指せる職業の目安は、以下のとおりです。

TOEICのスコア目指せる職業
TOEIC 900点以上
  • 通訳、
  • 大学や専門学校の英語教員・インストラクター、
  • 国際的な経営コンサルタント など
TOEIC 800点以上
  • 国際会計士、
  • 企業内の通訳・翻訳業務、
  • 中学校や高校の英語教員 など
TOEIC 700点以上
  • 外資系企業の正社員、
  • 秘書、
  • 海外勤務のバイヤー、
  • 投資会社のファンドマネージャー、
  • 航空機のパイロット、
  • 管制官 など
TOEIC 600点以上
  • 航空会社のキャビンアテンダント、
  • 英文を扱う事務職、
  • 児童向け英語教員 など
TOEIC 500点以上
  • ホテルスタッフなどホスピタリティ系職業、
  • ツアープランナーなど観光系職業、
  • 航空会社のグランドスタッフ・入国審査官 など

いかがでしょうか。TOEIC のスコアが高くなるほど職業の専門性も高くなります。職業の重要度が高くなると英語のコミュニケーションがうまくできないと重大な事態につながる可能性もあるため責任が大きく、その分収入も高くなります。

TOEIC が 500 点以上あればこの記事で紹介しているようなホスピタリティ系や観光系の職業で活躍することが十分可能ですが、もちろんそれは最低限のスキルであって、それ以上の英語力があることに越したことはありません。就職後のキャリアアップやより高いポストを任されるためにも英語力がポイントになるのは言うまでもありません。

③ それぞれの職業に必要な専門スキル

先ほどの TOEIC スコアと、なれる職業の一覧表は、ほぼすべての職業が専門職です。専門職でありながら英語力が必要になる職業なので、英語力+それぞれの職業で必要になるスキルが求められます。

英語を使う専門職で資格が必要になる場合、それぞれの職業で求められる資格を取得する必要があります。

④ 実践経験

英語に限らず、語学は「使ってナンボ」です。どれだけ知識をたくさん吸収しても、それを実践で使うことが何よりも大切です。英語圏の人は生まれながらに英語を使い続けているので、何も難しいことを考えることなく英語を実践し続けています。日本でどれだけ英語の高いレベルの教育を受けた人であってもネイティブスピーカーを超えることが難しいのは、この実践による経験量に大きな差があるからです。

身につけた英語力は、使えば使うほど上達していきます。語学留学やネイティブスピーカーとの会話経験が英語力を高めていくのも実践の強みなので、実践の経験を積むことがとても大切であることをしっかり押さえておきましょう。

ワンツーマンでの英会話の授業

英語スキルを身につける方法

英語は学問ではなく、会話やコミュニケーションのためのツールです。そのため英語スキルを身につけるには、より多くの実践機会を持つことが大切です。初心者の状態から本格的な英語スキルを身につけるまでの流れは、以下のようになります。

① 英文法の基本を学び、基礎力を身につける
② 英会話力を身につける
③ 身につけた英語力をどんどん実践する
④ 英語力をレベルアップする
⑤ レベルアップした英語力をどんどん実践する
⑥ 外国人とのコミュニケーションなど本格的な実践に進む\

上から順に進めていくのが仕事で使えるレベルの英語力を身につけるまでの流れですが、あらゆる場面に「実践」が入っているのが分かると思います。それだけ語学の習得には実践が重要で、その中でも質の高い実践機会を多く持つことが重要になります。

質の高い実践機会とは、英語のネイティブスピーカーとたっぷり話す時間を持てること、海外留学など英語漬けの環境に身を置くこと、などを指します。

英会話の授業を受ける学生たち。将来、英語を活かした職業を目指しています。

大阪ホテル・観光&ウェディング専門学校の「英語+ホスピタリティ」に特化した実践教育

大阪ホテル・観光&ウェディング専門学校は、校名にもあるようにホテル業界や観光業界、そしてブライダル業界などを目指す人のための専門学校です。当校に設置されている学科で目指す職業に英語を必要とする職業が多く含まれていることもあって、当校では実践力を伴う英語教育に力を入れています。英語は 15 億人とコミュニケーションができる世界共通語であり、無限の可能性を広げてくれるツールであるとして、卒業後の進路の選択肢を大きく広げるために必要な英語教育を行っています。

当校の英語教育には、大きく 4 つの柱があります。

① 少人数制レベル別授業

英語は「使ってナンボ」、実践と経験によって英語力は磨かれます。そのために必要なのはそれぞれの人のレベルにあった基礎力と、身につけた英語力をどんどん使ってみる環境です。授業というと講師が前に立って大勢の学生に向けて知識を伝授していく風景が普通ですが、英語力を磨くためにはこの方法は適していません。各人のレベルに合った内容をマンツーマンに近い形でレクチャーしていくこと、そして英語を話す機会をどんどん作って教わった知識を自分のものにしていくこと、これを重視するからこそ短期間で英語のレベルアップが可能になります。

② 語学 × 産学連携

専門学校で実践的な英語力を磨く目的は、その英語力を仕事に活かすためです。それなら在学中に「英語を仕事に役立てる」という経験をするべきというのが、当校の考え方です。業務上英語が必要になるような現場で学生が外国人のお客様に向けて話し、アテンドをする機会を持ちます。実際に現場を運営している企業様に協力をいただき、産学連携による英語経験は今後に向けたキャリアの第一歩として大きな意味を持ちます。

③ 海外実学研修

「英語人材」として活躍したい人たちの多くは、海外での活躍や海外との接点を持つことが視野にあることと思います。それなら早いうちから海外に飛び出して現地の空気に触れ、英語に囲まれた環境で過ごすことがどれだけ有意義であるかは想像がつくのではないでしょうか。

当校では全学科を対象にスイスのローザンヌにある「エコール・オテリエール・ローザンヌ」で世界トップクラスのホスピタリティを学ぶ実学研修や、ブライダル系学科を対象にハワイの「ハワイ大学 カピオラニ・コミュニティ・カレッジ」での実学研修プログラムを用意しています。

④ 専門留学、語学留学

英語は学問ではなく世界とコミュニケーションをするためのツールであるという考えのもと、技術としての英語だけでなく英語を使った世界中の人たちとのコミュニケーション、さらにはさまざまな交流体験を通じて「世界の人たちへのおもてなし」を身につけることを重視しています。

そのためにオーストラリアやスイスでの専門留学や語学留学のプログラムを設け、ホスピタリティをしっかりと身につけた「英語人材」の育成を目指しています。

まとめ

英語を活かす職業に就きたいという夢はとても選択肢が広く、ますますグローバル化が進むこれからの時代にマッチしたものです。人材としての価値を高めれば高い収入を得ることも可能ですし、世界中の人たちと関わりながら活躍できる人にもなれます。

英語力はもちろんのこと、英語を使って「何をするのか」にもこだわってホスピタリティを学び、在学中に多くの英語体験をすることは就職後に待っている輝かしい人生の大切な第一歩となります。