ホテル業界のお仕事

国内系?外資系?大手?小さなホテル?ホテル就職の向き不向きを考える

ホテル業界を目指す人に気にしてもらいたいのは、就職先として見たときのホテルの「向き不向き」です。就職は人生のなかでも大きなイベントなので、失敗したくないと誰もが思うのは当然のことです。 一口にホテルといっても、日本国内資本の国内系ホテルや外資系ホテルなど、ホテルの「国籍」によっても価値観や職場の雰囲気などには大きな違いがあります。

世界中を見渡しても、ホテルのない国はないでしょう。グローバル化が進んでいるこの時代では、ホテル業界で活躍できるスキルを持っている人の就職先は世界中にあるということです。今や日本には世界中のホテルが進出してきているので、国内だけでも就職先は多種多様です。

就職先に選択の幅が広くなってくると、どんなホテルが一番職場として良いのか?自分に合っているのはどんなホテル?という疑問に対する答えを出しておく必要があります。

そこで今回は、これからホテル業界への就職を考えている皆さんに知っておきたい、ホテルの分類別の特徴を解説したいと思います。

ホテル業界に就職するには、何よりも即戦力となるスキルとホスピタリティを身に付けることが大切です。

最近増えている外資系ホテルってどう?

外資系ホテル

グローバル化や訪日外国人客の増加に伴って目立ったのが、外資系ホテルの進出です。世界的なホテルチェーンといえばヒルトンやフォーシーズンズ、ハイアット、リッツカールトンを持つ―マリオットなどが思い浮かびますが、これらのホテルチェーンはすべて日本に進出を果たしています。さらに、こうした上位ランクのホテルだけでなく、中堅クラスのホテルも多数日本に進出しています。

これらのホテルが日本進出をする際には、日本国内で人材を募集します。一部の管理職を除いて日本国内の外資系ホテルでは日本人のホテリエが活躍中です。すでにホテル業界は「アフターコロナ」の時代に向けて準備を進めているので、このタイミングでホテル業界に就職することは今後再び成長軌道に乗る業界で経験を積み、キャリアアップしていくことを意味します。

外資系のホテルに言える特徴としては、規模の大小にかかわらず実力主義に徹している企業風土です。これはホテルに限らず色々な業種に言えることですが、能力のある人、結果を出している人が年齢や勤続年数に関係なくどんどん出世していく、いかにも外資系企業らしい仕組みです。これはプロのホテリエとしてバリバリ活躍したいと思っている人にとっては夢のある職場ですね。もちろんそのためには努力も必要ですが、企業風土的にも、タイミング的にも努力する価値はきわめて高いでしょう。

じっくりと腰を据えて働きたい人向きの国内系ホテル

国内系ホテル

外資系ホテルとよく比較されるのが、日本国内資本のホテルです。

有名な帝国ホテルやホテルオークラ、ニューオータニ、ロイヤルホテル、さらには航空会社系や鉄道会社系など、全国に多く存在し、日本のホテルビジネスの中核を担っています。こうした国内資本のホテルは、全てがそうだというわけではありませんが、日本的な経営をしているところが目立ちます。長期的なキャリアアップが前提になっているホテルも多く、じっくりと経験を積みながら働きたいという人には落ち着く職場と言えるでしょう。

近年は、それでは外資系ホテルとの競争に勝てない部分もあるので、国内資本のホテルでも実力のあるホテリエを高く評価する風土が浸透してきています。例えば新卒採用時点から幹部を目指す総合職としてキャリア採用を実施している企業も増えているので、努力が実る世界であることは、国内系ホテルであっても同じです。

規模の大小でホテルの違いはあるか

大きなシティホテルや高級ホテルに対して、ビジネスホテルクラスの中小規模なホテルがあります。従来からある出張客のニーズに加えて訪日外国人客からも人気を集めたのは、実はビジネスホテルが主役でした。東横インやアパホテルなどのビジネスホテルが続々と出店を加速させてきたのもそのためで、出世や将来性という意味ではこうした需要の高いホテルにも魅力があるのではないかと思います。

こうしたビジネスホテルでは急速な出店によって人材が不足する事態が起きました。一時的な需要減があったものの出張客など手堅い需要もあるので、「アフターコロナ」の時代においてもホテル業界の重要なプレイヤーであり続けるでしょう。

さらにこういった企業の求人広告には、幹部候補や支配人候補といったキャリア募集もよく見られます。大きくキャリアアップしていきたいという人にとっても、ホテリエとしての人生を描きやすいでしょう。

どの職場でも通用するホテリエになろう

外資系、国内資本、規模の大小など、一口にホテルと言っても職場の色合いは様々です。もちろん給与体系やキャリアアップの方法も異なりますが、ひとつだけ、どの職場にも共通していることがあります。

それは、ホテルがゲストをお迎えしておもてなしをするホスピタリティ空間であることです。職場は違っても仕事の内容に大きな違いはないので、どの職場であっても積んできた経験や努力は無駄になりません。

大切なのは、どの職場であっても通用する人になること。そんなプロになることで、どんなホテルでも能力を発揮して充実したホテリエとしての人生が手に入れることができるのです。