インバウンドコーディネーターとは
訪日外国人の旅行の企画や手配、日本の魅力を世界に伝える仕事。
インバウンドコーディネーターとは、訪日外国人観光客（インバウンド）の受け入れや体験向上をサポートする職業です。明確な定義はありませんが、日本の魅力が伝わるようなツアープランの企画や調整、ホテルや交通手段の手配、ツアーコンダクターやツアーガイドとしての観光案内など、インバウンドに関わるさまざまな実務を担当します。さらに、地域の魅力を発信するためのプロモーションやマーケティングにも関わり、観光産業全体の活性化に寄与します。多様な人々と関わりながら、観光客と地域の双方に価値を生み出す仕事です。
インバウンドコーディネーターの主な仕事内容
外国人観光客の体験づくりから地域の魅力発信まで幅広く担当。
インバウンドコーディネーターの仕事内容は、企業や団体の事業内容によって異なります。英語などの多言語を使い、外国人が日本での滞在をより楽しめるよう、さまざまな角度から取り組みます。
訪日外国人向けの観光プランを企画・調整する役割を担います。旅行会社や宿泊施設、観光地、文化施設などと連携し、外国人が楽しめるルートや体験を組み立てます。季節やイベントに合わせた特別プランの作成や、交通手段の手配、団体旅行・個人旅行のスケジュール調整など、旅行全体のコーディネートも行います。異なる国や文化背景を考慮した、柔軟なプラン設計が求められます。
観光地での案内、宿泊施設でのチェックインサポート、飲食店でのメニュー説明など、多言語での案内や通訳も重要な業務です。観光施設や体験施設のスタッフと訪日外国人との間に入り、旅行中のコミュニケーションを円滑にしたり、トラブルや誤解を未然に防いだりして、安心して楽しんでもらうための橋渡し役を担います。
地域資源の調査や観光イベントの企画、パンフレットやWebサイト、SNSを活用した、多言語での情報発信を行います。また、地域の観光事業者と連携し、受け入れ体制の改善や新しいサービスの提案にも取り組みます。こうした活動により、外国人観光客の満足度向上と地域経済の活性化の両立を目指します。
インバウンドコーディネーターになるには
語学・観光知識・企画力を磨いてインバウンド業界へ。
インバウンドコーディネーターになるには、観光や接客、語学の基礎を身につけることが第一歩です。専門学校や大学で、観光学やインバウンドビジネス、語学を学ぶと理解が深まります。インバウンドコーディネーターという肩書きでの募集は少ない場合もあります。そのため、インバウンド向けの旅行を扱う旅行会社や代理店、ツアー会社、観光関連企業などの募集要項を確認し、希望する業務内容に沿っているかをチェックすると良いでしょう。
必要なスキルや知識
英語をはじめ、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語など、ターゲットとする観光客が話す言語の語学力は必須です。海外の旅行会社との企画や手配に関するやりとりや、ツアー中の訪日外国人への対応など、あらゆる場面で高いレベルの語学力が求められます。また、言葉だけでなく、文化や習慣の違いを理解し、相手の立場に立ったコミュニケーションができることも重要です。
地域の観光資源や文化、歴史、交通手段などに関する幅広い知識が求められます。観光プランを作成する際には、地理や施設の営業時間、アクセス方法、季節ごとの見どころなどを把握し、外国人が快適に楽しめる提案を行う必要があります。また、地域イベントや食文化、特産品に関する情報も活用し、観光客に地域の魅力を的確に伝えることも大切です。
観光プランを立てる際には、企画力と調整力が欠かせません。人気の観光スポットをリサーチしてツアーを組み立て、利用するホテルや旅館、観光施設、飛行機や列車などの交通機関と契約や交渉を行います。滞在時間や移動時間を計算して最適なルートを設計し、観光客が無理なく楽しめるスケジュールを作ることも大切です。
インバウンドコーディネーターの資格・試験情報
語学の資格に加え、業務に応じた資格取得も重要。
インバウンドコーディネーターには、語学に関する資格はもちろん、担当する業務内容に応じて必要な資格や役立つ資格がいくつかあります。これらの資格を取得することで、専門知識やスキルを客観的に示すことができ、就職やキャリアアップに役立ちます。
インバウンドコーディネーターのやりがい
日本と外国を繋ぐ、架け橋となれる。
インバウンドコーディネーターのやりがいは、日本の魅力を発信し、自らが企画や手配をした観光プランで訪日外国人に満足してもらえることにあります。ガイドとして案内を行う際には、目の前で観光を楽しむ姿や「ありがとう」の言葉に触れられることにも大きな達成感を得られます。さらに、地域の人々と協力しながら観光資源を活かすことで、地域経済の発展やまちの活性化にも貢献できます。人と人、国と地域を繋ぐ架け橋としての喜びを見い出せることが、この仕事ならではの魅力です。
