ホテル営業マンとは
ホテルの魅力を提案し、利用客数や売上を伸ばす仕事。
ホテル業界の営業職とは、ホテルの施設やサービスをより多くのお客様に利用してもらうために、企業や団体、旅行代理店などの法人に対して案内や提案、価格交渉を行う仕事です。宿泊にとどまらず、宴会・会議・ウェディングなど、ホテルが持つさまざまな機能を組み合わせ、目的やニーズに合わせた最適なプランを提案します。法人営業は大口の契約になることが多く、ホテルの売上に直結する重要な役割を担っています。
ホテル営業マンの主な仕事内容

法人を中心に、宿泊や宴会など多様なプランを提案する。
ホテル営業マンの仕事は、基本的には法人営業として企業や団体を訪問して丁寧にヒアリングを行い、最適なプランを企画して提案することです。また、顧客とホテルの窓口となって、長期的な関係性を築くことも大切な役割です。
旅行代理店に向けて、観光ツアーや団体旅行などの宿泊先として自社ホテルを選んでもらうためのプランを提案します。団体向けの料金設定や受け入れ体制の調整、観光地との連動企画などが重要になります。シーズンやインバウンドなどの需要を読み取りながら、食事や交通手段を含めた魅力的な提案や交渉を行い、代理店との信頼関係を築いていきます。
社員旅行、出張、研修などで宿泊ニーズのある企業や団体に対して、目的や予算に応じた宿泊プランを作成し、ホテルの利用を提案します。福利厚生の一環としてホテルを会社の保養所として活用したいという要望に応えることもあります。年間契約や特別料金の提案を行い、継続的な利用に繋げていくことが重要です。
会議、入社式、新商品発表会、研修、パーティー、結婚式、地域の集まりやイベントなど、宿泊を伴わないニーズに対して、各種企業や団体へ会議室やレストランなどホテルの空間利用を提案します。規模や目的に応じた会場セッティング、食事や装飾の手配など、細やかな調整を行います。近年ではMICE(会議・報奨旅行・国際会議・展示会)需要への対応も重要となっています。
ホテル営業マンになるには

プランの提案力と、実現する調整力がポイント。
ホテルの営業になるには、ホテルに就職して営業部門に配属される必要があります。ただし、最初は宿泊や宴会など他部門に配属され、現場での経験を詰んだ後に営業職へ異動するケースも少なくありません。学部や学科に特別な制限はありませんが、ホテルや観光業について学べる専門学校や大学で業界理解を深めておくと、就職活動の際に有利です。
必要なスキルや知識
営業先は、企業、団体、旅行代理店など多岐にわたり、それぞれに異なる立場や目的があります。相手の話を丁寧に聞きながら信頼関係を築き、安心して任せてもらえる関係性をつくることが成果に繋がります。商談だけでなく、問い合わせへの対応やアフターフォローの場面でも誠実なやりとりが求められ、「この人になら任せたい」と思ってもらえるかどうかが鍵になります。
お客様のニーズに合わせて最適な利用プランを考え、提案する力が欠かせません。例えば企業の研修であれば、会場の広さや機材の有無、宿泊の手配、食事の内容など細かな要素を踏まえてパッケージを組み立てる必要があります。決まった商品を売るのではなく、「ホテルという空間やサービスをどう活かすか」を考える仕事なので、柔軟な発想や段取り力が大きな武器になります。
仕事の契約を取るだけでなく、そのイベントが実施されるまで社内外の多くの人と連携して進めていくため、高い調整力が求められます。例えばMICEの会場に選ばれた際には、ホテルのサービススタッフや調理スタッフ、会場設営業者などと情報を共有しながら、日程・会場・食事内容などを細かく調整していく必要があります。
ホテル営業マンの資格・試験情報
資格は不要だが、ホテルの顔として知識やマナーは大切。
ホテルの営業職に就くために必須となる資格はありません。ただし、営業職であってもホテルの顔としてふさわしい業界知識や接客マナーは心得ておくと、業務に役立つでしょう。ホテルによっては、普通自動車運転免許が必要になる場合もあります。
ホテル営業マンのやりがい
数字としての成果と、お客様からの感謝が喜びになる。
ホテル営業マンのやりがいは、自分の提案が形になり、実際にホテルの利用客が増え、売上に貢献できた時に強く感じられます。法人契約の獲得やリピーターの増加など、成果が数字として明確に表れる点も、大きなモチベーションになります。また、営業訪問先のお客様から「ありがとう」「またお願いしたい」と言っていただけた時には、自分の仕事がホテル全体の信頼やブランド力向上に繋がっていることを実感でき、大きな達成感を味わうことができます。