ランドリースタッフとは
ホテル内で使用されるリネン類や衣類をクリーニングする仕事
ランドリースタッフとは、ホテル内で使用されるシーツやタオル、テーブルクロスなどのリネン類、宿泊客の衣類、従業員のユニフォームなどのクリーニングを担当するスタッフです。ホテルによっては、外部のランドリーサービスに業務を委託している場合もありますが、ホテル内のリネン室やランドリールームで洗濯・乾燥・アイロンがけ・整理整頓を行う仕事です。「リネン係」「客室清掃スタッフ」と業務が重なっている場合もあります。ホテルの清潔さや滞在の快適さを支える、ホテル運営に欠かせない職業です。
ランドリースタッフの主な仕事内容
洗濯から仕上げまで、ホテルのリネン類を清潔にする。
ランドリースタッフは、ホテル内で使用されるリネン類や宿泊客の衣類、スタッフのユニフォームまで、多様なアイテムの洗浄・仕上げ・管理を担います。
客室で使用されたシーツ、枕カバー、タオル類、レストランのテーブルクロス、スタッフのユニフォームなど、ホテルでは一日に大量のリネンが発生します。また、ホテルによっては「バレットサービス」と呼ばれる宿泊客の衣類クリーニングサービスを行っていることもあります。これらを素材や汚れ具合に合わせて、水洗いやドライクリーニングなどに仕分けし、必要に応じてシミ抜きなどを実施します。決められた洗剤や温度、洗浄時間を設定して洗濯し、乾燥します。
洗濯・乾燥したリネン類を、アイロンがけやプレス作業によって整えます。ホテルでは「シワがない」「清潔感がある」「大きさがそろっている」ことが基本となるため、見た目の美しさを作るこの工程は非常に重要です。大型のプレス機やアイロン台を使用して、素材ごとに温度調整しながら仕上げていきます。また、宿泊客の衣類を扱う時は、生地を傷つけないようにより慎重な作業が求められます。
仕上がったリネンは、種類や用途ごとに整然とリネン庫へ収納し、必要なタイミングで客室フロアやレストランなど各部署へ配布します。数量はもちろん、リネンにほつれやシミ、ニオイがないかなど品質の状態も確認しながら補充し、ホテル内の清潔なリネン供給を途切れさせないことが重要です。また、バレットサービスで扱った宿泊客の衣類は、フロントスタッフへ引き渡すなど、他部門との連携も欠かせません。
ランドリースタッフになるには
洗濯に関する知識や仕上げの技術、判断力が大切。
ランドリースタッフになるために特別な学歴は必要ありません。ホテルやクリーニング工場での勤務経験があれば役立ちますが、入職後に洗濯機やプレス機の操作、素材ごとの扱い方などを丁寧に教えてもらえるため、未経験でも安心してスタートできます。ホテルによって業務の内容や範囲が異なるため、希望する内容かどうかを事前に確認するようにしましょう。
必要なスキルや知識
リネン類や衣類の素材ごとの扱い方に関する知識や、仕上げのスキルが重要です。シーツやタオル、ユニフォーム、テーブルクロスなど、ホテルでは多様なアイテムがあり、それぞれ適切な洗浄方法や温度、洗剤の選択が必要です。アイロンがけやプレス作業も、細部まで丁寧に行うことで、シワのない美しい仕上がりを保ちます。また、宿泊客の衣類を扱う場合は、シミ抜きやデリケートな素材への配慮も求められます。
汚れ具合や素材に応じた洗浄方法の選択、破損や不足の早期発見、優先順位の判断など、作業において適切な判断をする力が必要です。誤った判断をしてしまうと、汚れがきちんと落ちなかったり、衣類を傷つけてしまったりすることもあります。マニュアルや手順書は大切ですが、状況に応じて柔軟に対応できる力も求められます。
毎日大量のリネンや衣類を扱うため、一定の体力が求められる職種です。仕分けや運搬、洗濯機や乾燥機、プレス機の操作など、立ち作業や繰り返しの動作が多く、効率よく作業を進める力も必要です。また、忙しい時間帯には短時間で大量のリネンを処理しなければならず、持久力や集中力も求められます。
ランドリースタッフの資格・試験情報
特別な資格は必要ないが、キャリアアップに役立つ国家資格もある。
ランドリースタッフとして働くうえで、特別な資格は必須ではありません。スキルアップやキャリアアップを目指すのであれば、「第一種・第二種衛生管理者」や「クリーニング師」といった国家資格が役立つ場合があります。
ランドリースタッフのやりがい
清潔さと心地よさを生み出し、ホテルの品質を支える縁の下の力持ち。
ランドリースタッフのやりがいは、ホテルの品質を支える存在として働けることにあります。自分が丁寧に仕上げたリネンが館内で使用され、お客様の快適な滞在につながっていると実感できる瞬間は大きな達成感があります。また、決められた時間内に大量のアイテムを仕上げるため、効率的に動けるようになったり、アイロンがけが美しく仕上がるようになったりするなど、技術の上達を感じられることもやりがいの一つです。直接お客様に接したり表に立ったりする仕事ではありませんが、「ホテル全体を支えている」という誇りを持って働ける職種です。
